公務員の病気休暇とは?休暇中の給与や休職との違いを解説

事前準備・考え方
  • 業務が膨大すぎて心身ともに疲れ切ってしまった…
  • 公務員で抑うつ状態になってしまったらどうしたら良いの?
  • 辛すぎるから療養休暇(病気休暇)を取ることを考えている…

ネットではよく「配属ガチャ」とも言われますが、

公務員はとても働きやすい部署がある一方で、業務が膨大で精神的にも肉体的にも辛い部署が存在します。

そんな中、メンタルがやられてしまい、抑うつ状態となってしまう方も少なくありません。

そこで今回は、公務員の「病気休暇」と「休職」という制度について、

実際の法令・条例等を確認しながら解説したいと思います。

この記事を読むと以下のことが分かります。

  • 公務員の病気休暇とは?休職と何が違うの?
  • 病気休暇中や休職中に給与はでるの?
  • 公務員の病気休暇の取り方は?

公務員時代、精神的な理由で病気休暇や休職を取得していた同期・同僚が複数人いました。

「自分だけかも…」と思うと不安になるかと思いますが、準備された制度はしっかりと活用し、

一度ゆっくり心身を労わる期間は誰にも必要ですので、この記事を参考にしていただければと幸いです。

この記事を書いた人
≫ あると(@alto-fiij)元国家公務員 (いわゆるキャリア官僚)
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公務員の病気休暇とは?

公務員の病気休暇とは

公務員の病気休暇とは、負傷又は疾病のため療養する必要があり、やむを得なく勤務できない場合に取得できる休暇です。

平成六年法律第三十三号 一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(一部省略等あり)

(病気休暇)

第十八条 病気休暇は、職員が負傷又は疾病のため療養する必要があり、その勤務しないことがやむを得ないと認められる場合における休暇とする。

平成六年法律第三十三号 一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律

国家公務員の病気休暇の期間と取り方

国家公務員の病気休暇については、人事院規則に規定されています。

病気休暇の期間

人事院規則一五―一四(職員の勤務時間、休日及び休暇)(一部省略等あり)

(病気休暇)

第二十一条 病気休暇の期間は、療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる必要最小限度の期間とする。ただし、次に掲げる場合以外の場合における病気休暇(以下この条において「特定病気休暇」という。)の期間は、次に掲げる場合における病気休暇を使用した日その他の人事院が定める日を除いて連続して九十日を超えることはできない。

一~三 (略)

人事院規則一五―一四(職員の勤務時間、休日及び休暇)

いわゆる心身の疲労等に伴って勤務ができない状態となり取得する病気休暇は、

「特定病気休暇」に分類され、取得期間の最大は90日間となります。

病気休暇の取り方

結論から言うと、病気休暇を取得するには医師の意見書(診断書)が必要となります。

人事院規則一〇―四(職員の保健及び安全保持)(一部省略等あり)

(指導区分の決定等)

第二十三条 各省各庁の長は、健康診断又は面接指導を行つた医師が健康に異常又は異常を生ずるおそれがあると認めた職員については、その医師の意見書及びその職員の職務内容、勤務の強度等に関する資料を健康管理医に提示し、別表第四の指導区分欄に掲げる区分に応じて指導区分の決定を受けるものとする

2(略)

(事後措置)

第二十四条 各省各庁の長は、前条の規定により指導区分の決定又は変更を受けた職員については、その指導区分に応じ、別表第四の事後措置の基準欄に掲げる基準に従い、適切な事後措置をとらなければならない。

2、3(略)

別表第四 指導区分及び事後措置の基準(第二十三条、第二十四条関係)

指導区分:生活規制の面A

内容:勤務を休む必要のあるもの

事後措置の基準:休暇又は休職の方法により、療養のため必要な期間勤務させない。

人事院規則一〇―四(職員の保健及び安全保持)

地方公務員の病気休暇の期間と取り方

地方公務員の病気休暇については、各自治体の条例に規定されています。

東京都を例に確認していきましょう。

病気休暇の期間と取り方

職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則

(病気休暇)

第十四条 病気休暇は、原則として、日を単位として承認する。

2 病気休暇の期間は、療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる必要最小限度の期間とする。

3 病気休暇を請求するときは、別に定める場合を除き、医師の証明書を示さなければならない。

職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則

東京都の場合は、国と違い90日の規定はありません。(有給期間は90日です。後述します。)

病気休暇を取得するときは、医師の証明書(診断書)が必要な点は国家公務員と同じですね。

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公務員の病気休暇中の給与

公務員の病気休暇中の給与

病気休暇中の取り扱いとして最も気になるのは給与の問題かと思います。

精神的にも肉体的にも辛い時期にお金の心配は最小限にしたいですよね。

結論から言うと、国家公務員、地方公務員ともに、病気休暇を取得してから90日間は有給となります。

国家公務員の病気休暇中の給与

国家公務員の病気休暇中の給与については、「一般職の職員の給与に関する法律」に記載があります。

昭和二十五年法律第九十五号 一般職の職員の給与に関する法律

(給与の減額)
第十五条 職員が勤務しないときは、勤務時間法第十三条の二第一項に規定する超勤代休時間、勤務時間法第十四条に規定する祝日法による休日又は勤務時間法第十四条に規定する年末年始の休日である場合、休暇による場合その他その勤務しないことにつき特に承認のあつた場合を除き、その勤務しない一時間につき、第十九条に規定する勤務一時間当たりの給与額を減額して給与を支給する。

附則
6 当分の間、第十五条の規定にかかわらず、職員が負傷若しくは疾病に係る療養のため、又は疾病に係る就業禁止の措置により、当該療養のための病気休暇又は当該措置の開始の日から起算して九十日を超えて引き続き勤務しないときは、その期間経過後の当該病気休暇又は当該措置に係る日につき、俸給の半額を減ずる。ただし、人事院規則で定める手当の算定については、当該職員の俸給の半減前の額をその算定の基礎となる俸給の額とする。

昭和二十五年法律第九十五号 一般職の職員の給与に関する法律

給与法の第十五条によると、病気休暇中は「休暇による場合」に該当するため、給与が減額されないことが分かります。
一方で附則より、病気休暇が90日を超えると、給与が半額となることが規定されています

ちなみに、病気休暇中であっても、賞与(期末手当と勤勉手当)は支給されます

ただし、在職期間に応じて支給される期末手当は満額支給されますが、

勤務期間に応じて支給される勤勉手当は満額出ない可能性があるため、注意が必要です。

地方公務員の病気休暇中の給与

地方公務員の病気休暇中の給与についても各自治体の条例に規定されています。

こちらも東京都を例に確認していきましょう。

職員の給与に関する条例
(給与の減額)
第十四条 職員が勤務しないときは、勤務時間条例第十条の四第一項に規定する超勤代休時間及び休日である場合、勤務時間条例第十四条から第十六条までに規定する年次有給休暇、病気休暇(東京都規則で定める日数を限度とする。)及び特別休暇を承認され勤務しなかつた場合並びにその勤務しないこと及び給与の減額を免除することにつき任命権者の承認があつた場合を除き、その勤務しない一時間につき、第十八条に規定する勤務一時間当たりの給料等の額の合計額を減額して給与を支給する。

職員の給与に関する条例

職員の給与に関する条例施行規則
第七条の二 条例第十四条第一項の東京都規則で定める日数は、次の各号に掲げる休暇について、当該各号に定める日数とする。
一 病気休暇 一回について、引き続く九十日
二 (略)

職員の給与に関する条例施行規則

東京都においては、病気休暇中は施行規則に定められている90日間の間は、給与が減額されない(満額支給)と規定されています。

ちなみに、東京都においても病気休暇中に賞与(期末手当と勤勉手当)が支給されます

ただし、国家公務員同様、在職期間に応じて支給される期末手当は満額支給されますが、

勤務期間に応じて支給される勤勉手当は満額出ない可能性があるため、注意が必要です。

ちなみに東京都は、病気休暇以外の休暇制度も分かりやすくホームページ(https://www.saiyou.metro.tokyo.lg.jp/kinmujyouken.html)にまとめてくれています。

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公務員の休職の期間と給与

公務員の休職の期間と給与

これまで病気休暇について解説してきましたが、病気休暇とは別に休職という制度があります。

通常、病気休暇を取得後、90日間では療養期間が十分でない場合、休職に移行するケースが多いです

国家公務員の休職の期間と給与

国家公務員の休職の期間と給与については、国家公務員法、給与法、人事院規則に規定されています。

休職は最大で3年間取得することができ、休職中1年以内については、給与が8割支給されることとなっています。

昭和二十二年法律第百二十号 国家公務員法
(本人の意に反する休職の場合)
第七十九条 職員が、左の各号の一に該当する場合又は人事院規則で定めるその他の場合においては、その意に反して、これを休職することができる。
一 心身の故障のため、長期の休養を要する場合
二 (略)

昭和二十二年法律第百二十号 国家公務員法

人事院規則一一―四(職員の身分保障)

(休職の期間)
第五条 法第七十九条第一号の規定による休職の期間は、休養を要する程度に応じ、第三条第一項第一号、第三号、第四号及び第五号の規定による休職の期間は、必要に応じ、いずれも三年を超えない範囲内において、それぞれ個々の場合について、任命権者が定める。この休職の期間が三年に満たない場合においては、休職にした日から引き続き三年を超えない範囲内において、これを更新することができる。

人事院規則一一―四(職員の身分保障)

昭和二十五年法律第九十五号 一般職の職員の給与に関する法律

(休職者の給与)
第二十三条 (略)
2 (略)
3 職員が前二項以外の心身の故障により国家公務員法第七十九条第一号に掲げる事由に該当して休職にされたときは、その休職の期間が満一年に達するまでは、これに俸給、扶養手当、地域手当、広域異動手当、研究員調整手当、住居手当及び期末手当のそれぞれ百分の八十を支給することができる。
4~8(略)

昭和二十五年法律第九十五号 一般職の職員の給与に関する法律

また、休職2年目からは無給となりますが、共済組合より傷病手当金の支給を受けることが可能です。

傷病手当金では、1年6か月の間、給与の2/3が支給されることとなります。

参考:農林水産省共済組合(http://nousuikyousai.or.jp/tanki/kinmu.html

そして、実は休職から1年間(給与が支給されている間)は、勤勉手当は支給されませんが、期末手当は支給されます

人事院規則九―四〇(期末手当及び勤勉手当)

(期末手当の支給を受ける職員)
第一条 給与法第十九条の四第一項前段の規定により期末手当の支給を受ける職員は、同項に規定するそれぞれの基準日に在職する職員(給与法第十九条の五各号のいずれかに該当する者を除く。)のうち、次に掲げる職員以外の職員とする。
一 無給休職者(法第七十九条第一号又は規則一一―四(職員の身分保障)第三条の規定に該当して休職にされている職員のうち、給与の支給を受けていない職員をいう。)
二~十四 (略)

(勤勉手当の支給を受ける職員)
第七条 給与法第十九条の七第一項前段の規定により勤勉手当の支給を受ける職員は、同項に規定するそれぞれの基準日に在職する職員(給与法第十九条の七第五項において準用する給与法第十九条の五各号のいずれかに該当する者を除く。)のうち、次に掲げる職員以外の職員とする。
一 休職にされている者(第五条第二項第五号イの休職者を除く。)
二~八 (略)

人事院規則九―四〇(期末手当及び勤勉手当)

地方公務員の休職の期間と給与

地方公務員の休職の期間と給与についても、各自治体の条例に規定されています。

東京都を事例に確認してみましょう。

職員の分限に関する条例
(休職及び降給の事由)

第二条 地方公務員法(以下「法」という。)第二十八条第二項に定める事由による外、職員が人事委員会規則で定める事由に該当する場合においては、その意に反して、これを休職することができる。
2 (略)

職員の分限に関する条例

地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)
(降任、免職、休職等)
第二十八条 (略)
2 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを休職することができる。
一 心身の故障のため、長期の休養を要する場合
二 (略)
3、4 (略)

(休職の期間)
第四条 法第二十八条第二項第一号の規定に該当する場合における休職の期間は、三年を超えない範囲内において休養を要する程度に応じ、個々の場合について、任命権者が定める。この休職の期間が三年に満たない場合においては、休職した日から引き続き三年を超えない範囲内において、これを更新することができる。

2~4 (略)

昭和二十五年法律第二百六十一号 地方公務員法

休職者給与支給規則
(病気等による休職者の給与)
第二条 職員が、地方公務員法(以下「法」という。)第二十八条第二項第一号に掲げる事由に該当して休職にされたときは、職員の分限に関する条例(昭和二十六年東京都条例第八十五号)第四条第一項及び第二項に規定する休職期間のうち、当該休職期間の初日から一年に限りこれに給料、扶養手当、地域手当、住居手当及び寒冷地手当のそれぞれの百分の八十に相当する額を支給する。

休職者給与支給規則

東京都の場合も国と同じく、休職期間は最大3年間で、最初の1年間は給与の8割が支給されます。

また、国家公務員と同じく、休職2年目からは無給となりますが、地方職員共済組合より傷病手当金の支給を受けることが可能です。

傷病手当金では、1年6か月の間、給与の2/3が支給されることとなります。

勤務を休み報酬が支給されないとき|地方職員共済組合

東京都については、休職期間から1年間(給与が支給されている間)は期末手当と勤勉手当が支給されます。

(ただし、勤勉手当は勤務期間に応じて支給されるため、実際はほぼ出ないと思われます。)

職員の期末手当に関する規則
(支給対象外職員)
第二条 条例第二十一条第一項前段の東京都規則で定める職員は、次に掲げる職員とする。
一、二 (略)
三 法第二十八条第二項第一号又は職員の休職の事由等に関する規則第二条各号の規定に該当して休職にされている職員のうち給与の支給を受けていない職員
四~十 (略)

職員の期末手当に関する規則

職員の勤勉手当に関する規則
(支給対象外職員)
第二条 条例第二十一条の二第一項前段の東京都規則で定める職員は、次に掲げる職員とする。
一、二 (略)
三 法第二十八条第二項第一号又は職員の休職の事由等に関する規則第二条各号の規定に該当して休職にされている職員のうち給与の支給を受けていない職員
四~十一 (略)

職員の勤勉手当に関する規則

地方公務員の場合、条例や規則名はどの自治体でもほぼ同じとなることが多いため、

必ず「自治体名+条例名」で検索し、制度を確認しましょう。

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公務員の病気休暇中と休職中の給与まとめ

国家公務員の病気期間中と休職中の給与をまとめると以下のとおりです。
(地方公務員についてもほぼ同様ですが、必ず各自治体の条例等を確認してください。)

期間制度給与
90日病気休暇全額支給
1年休職(給与法)80/100
1年6か月給与(共済組合傷病手当金)2/3
6か月休職無給

精神的な理由等で休職した場合、ざっくり2年9か月の間は何らかの形で給与は支給されることとなります。

「病気休暇を取得していいものなのか…」と悩まれる方は多いかと思いますが、実際に取得されている方は少なくないです。

辛いときもすぐに退職を考えるのではなく、まずは一度病気休暇を取得して落ち着いてみてください。

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