- 頑張って公務員試験を合格したけど、働き方が合わないから公務員から転職したい…
- 公務員から転職を考えているけど、転職したら後悔しそう…
- 親や友人からは「公務員を辞めるなんてもったいない」と言われているが、どうしても公務員から転職したい…
私は、30代前半で国家公務員を辞め、民間企業に転職しました。
公務員から転職した当時は「公務員を辞めたい!」と思っていましたが、実際に公務員から転職してみると、
民間企業よりも公務員のほうが優れていることもあり、全く後悔がなかったわけではありません。
そこで、公務員から転職を考えている方に向けて、
実際に公務員から転職した私の経験も踏まえて、
- そもそも公務員からの転職は珍しいことなのか
- 公務員から転職して後悔したこと3選
- 公務員から転職して良かったこと3選
- 結局公務員から転職して良かったのか
を解説したいと思います。
- この記事を書いた人
- ≫ あると(@alto-fiij)元国家公務員 (いわゆるキャリア官僚)
- ≫ 30代前半で倍率500倍の超ホワイト企業に転職。
- ≫ 転職時年収200万円UP。その後昇格し、転職後2年で年収は2倍以上に。
そもそも公務員からの転職は珍しい?
人事院が公表している「令和4年度一般職の国家公務員の任用状況調査」によると、
59歳以下の国家公務員(行政職(一))の離職率は平均4.2%であり、
20~24歳を除く44歳以下の離職率はその平均を上回る数字となっています。
また、令和3年度の離職率は平均4.0%でしたので、離職率は上昇傾向にあります。
20~24歳は大卒の就職があるためでしょうか、低い傾向です。
19歳以下(7.4%)に次いで高いのは、30~34歳(6.2%)であり、
17~18人に1人は公務員から転職しているという計算になります。
また、30~34歳の離職率は令和3年度の5.7%より0.5ポイントアップしています。
令和4年度の民間企業の離職率は15.0%ですので、民間企業に比べると公務員の離職率は低いですが、
やはり若手公務員中心に公務員からの転職を考えている人が多いことが分かります。
公務員から転職して後悔したこと3選
私が公務員から転職して感じた後悔は以下の3つです。
- 常に「儲かるか」を考えないといけない
- 福利厚生が手厚くない
- 安定は捨てざるを得ない
順番に解説していきます。
常に「儲かるか」を考えないといけない
「公務員の仕事は退屈」という意見は散見されますが、実は私、公務員を辞めた今でも公務員の仕事はすごく魅力的だと思っています。
公務員の仕事は、究極的にはビジネス観点からの利益を追求する必要はなく、
時にはそのような利益を度外視して、国民・県民・市民の豊かな生活を目指すことができます。
一方で民間企業では、社会貢献ばかりすることは絶対にできません。
社会貢献をするにしても、トータルとしては利益を出す前提で行う必要があります。
公務員と同じ視座で「人々の生活を豊かにしたい」と考えている民間企業はほぼないのではないかなと思います。
「もっと社会やエンドユーザ―に貢献したい!」と思ってもビジネス上できない歯がゆさを感じることがあり、
(実現できるかは置いといて)理想を描くことができる公務員は良かったなと感じることはよくあります。
福利厚生が手厚くない
私の会社はかなり福利厚生がいい方ですが、
公務員時代の官舎の家賃などを考えると、公務員の福利厚生はさすがだなと感じます。
私の場合、その分年収が上がったので特に問題はないのですが、
年収キープで民間企業へ転職する場合は、転職先の福利厚生もしっかりと確認しておかないと、
生活レベルを下げなければいけない可能性もあるため、注意が必要です。
安定は捨てざるを得ない
リーマンショックの際の不動産業界、コロナ禍での交通業界・旅行業界など、
どんな大企業でも倒産リスクは免れません。
一方公務員は、倒産リスクはほぼゼロといっても過言ではありません。
そのため、公務員時代以上に常に自分の市場価値を意識し、いつでも次の職を探せるようにしておく必要があります。
公務員から転職して良かったこと3選
これまで公務員から転職して後悔したことを紹介してきましたが、
もちろん公務員から転職して良かったこともあります。
- 年収が上がった
- 残業が減った
- 興味のある分野に特化できた
について紹介していきたいと思います。
年収が上がった
ありがたいことに転職時に年収が200万円もアップしました。
そしてその後昇格もし、転職2年後には公務員時代の年収の2倍(1,200万円超)となりました。
2024年に入り転職から3年が経ちましたが、さらに昇給し、現在の年収は約1,400万円です。
今年も賃上げの流れに乗れそうで、おそらく1,500万円程になる予定です。
公務員の方は難関な試験を突破しており、優秀な方が多いと思います。
その割には若手のうちは給与が低く、民間企業に勤める学生時代の同級生と比べると給与が少ない人も多いのではないでしょうか。
私の周りの元公務員の方も「転職して年収が上がった」という話はよく聞きます。
残業が減った
官僚時代は月100時間の残業が当たり前、時には200時間を超える残業をしていたこともありました。
それが今では残業時間は多くて月20時間ほどです。
残業が減って家族と過ごす時間が増えたことが転職して最も良かったことかもしれません。
私のような中央官庁に勤めている方、福祉関係の部署や教員の方など公務員の中でも残業が多い方は
民間企業に転職すると、残業が減って自分の時間を得ることができるはずです。
興味のある分野に特化できた
公務員の場合、通常2~3年、早い場合は1年程で部署が変わる場合がほとんどです。
そして扱っている分野が多く、必ずしも自分が興味のある分野に携われるとは限りません。
その点、民間企業は大きな業界としては固定されているため、自分の仕事を興味のある分野に特化することができます。
そして転職の場合は、個人と企業とのマッチングですので、
「思っていたのと違った!」と言われ、すぐ辞められることを避けるためにも、
少なくとも入社時は、希望する分野の部署に配属されることが多いです。
トータルでは公務員から転職して良かった
ここまで、公務員から転職して後悔したこと、良かったことを紹介してきましたが、
トータルとしては公務員から転職して良かったと感じています。
公務員から転職をして、何をやりたいかの”do”の部分ではプラスマイナス0、どうありたいかの”be”の部分では大幅なプラスといった感じでしょうか。
ほぼ毎日家族と食卓を囲み、心身ともに健康な生活をできる満足度は何よりも大きいです。
正直、「公務員を辞めるのはもったいないのではないか」と悩んだ時期もありましたが、
あの時、勇気を出して転職に踏み切って本当に良かったと思います。
転職活動自体はノーリスクでできる
このように実際に公務員から転職してみると、公務員にも優れていることもあり、全く後悔がなかったわけではありません。
ただ私の場合はそれ以上に、公務員から転職をして得るもののほうが多かったです。
転職はリスクを伴うことであることは間違いありませんが、転職活動自体はノーリスクで行うことができます。
なぜなら、転職活動は自分の今後のキャリアについて深く考えることだからです。
- 自分の市場価値はどのくらいか
- 自分の強みや弱みは何なのか
- 自分は仕事を通して何を実現したいのか
深く考えた結果、「公務員を辞めない」という結論を出すことも立派な転職活動です。
それでも、「転職活動を行ったことのある公務員」は、
- 自分の市場価値を知った上で業務に取り組める
- 自分の強みや弱みを理解して業務に取り組める
- 自分の実現したいことを軸にして業務に取り組める
と公務員としてのキャリアもより豊かなものになると思いますので、まずはノーリスクな転職活動からはじめてみてはいかがでしょうか。
ただ、公務員の場合、周りに転職経験者が少なかったり、友人が転職していても民間から民間の転職であるケースが凄く多いです。
転職活動を一人で進めるのは不安が大きいですし、効率も良くないため、個人的には転職のプロである転職エージェントに相談してみるがおすすめです。
公務員がどのような戦略で転職活動を進めていくべきか、経験も踏まえてアドバイスしてくれますので、転職活動に慣れていない公務員に必須のサポートと言っても過言ではないです。
下手に我流で進めるのではなく、転職のプロにしっかりと相談することで転職活動を効率的に進めることができます。
詳細は公務員から民間に転職成功!おすすめ転職サイト・転職エージェント4選でも解説しています。
過去の私のように「公務員に最適な転職エージェント探し」で無駄な時間を過ごさないためにも、参考にしてください。
結論としては、以下の4つのサービスがおすすめです。
おすすめ転職サービス
マイナビエージェント ≫ サポートが丁寧で手厚く、サポート期間が無期限。
リクルートエージェント ≫ 求人数No.1。転職関係のセミナーも充実。
doda ≫ 「残業20時間未満」での検索など、圧倒的に求人検索がしやすい。
ビズリーチ ≫ 時間効率が最も良い。現職が忙しい方に非常におすすめ。
まとめ:公務員から転職して後悔もあるが、トータルとしては良かった
まとめると以下のようになります。
チェックポイント
公務員から転職することは特別珍しいことではない
公務員から転職して後悔したことは「利益前提」「福利厚生」「安定」
公務員から転職して良かったことは「年収が上がった」「残業が減った」「やりたいことができる」
公務員から転職して後悔もあるが、トータルとしては良かった
この記事があなたのより良い転職活動に繋がれば幸いです。
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