中央官庁にもESG経営をしっかりと意識してほしい|ESG投資の観点から

ライフスタイル・価値観

こんにちは、あると(@alto-fiij)です。

内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室(コロナ室)で月378時間を超える超過勤務(残業)をした職員がいることが発覚し、多くの波紋を呼んでいるところです。

私も官僚時代で忙しい部署にいた時には、配属された2年間ずっと月100時間以上、忙しい月は200時間を超える超勤を経験したことがありますが、378時間の超勤は正直想像もできないレベルです。

スポンサーリンク

国家公務員の働き方はこのままでよいのか

霞が関の定時(定時内の勤務で終わったことはほぼありませんが)は、一部部署を除いて9:30~18:15(昼休憩1時間で7時間45分勤務)です。

この378時間超勤の人はお昼ご飯を食べながら仕事をしているでしょうから実質一日8時間45分勤務とした場合、

月720時間-(8.75時間×30日+378時間)=月79.5時間 ⇒ 一日あたり約2時間40分

土日も関係なくフルタイムで働いた前提で、一日あたり約2時間40分の自由時間(実質睡眠時間)しかありません

睡眠時間を確保するために自宅⇔職場の移動時間を削減して毎日は家に帰れないでしょうし、

帰ったとしても家族と会話する時間もなく、業界用語で「タクシーがなくなる」(早朝5時以降は始発で帰る必要があるため)5時ちょっと前に職場を出て、帰ってシャワーを浴びて1時間ぐらい仮眠をして家族が起きる前に出勤する日々だと思います。

私は出来る限り休日出勤は避けたい(そうしないと毎日職場に行かないと業務が終わらない)考えだったので、まさに月200時間を超えていた時は毎日朝5時半頃に家に帰り、妻と「大丈夫?生きてる?」「大丈夫。生きてる。寝ます。」とだけ会話する日々でした。

国家公務員は「やりがい搾取」をし過ぎではないか

元官僚として胸を張って言えることは「国家公務員の仕事は非常にやりがいがあって面白い」ということです。

多くの人が誇りをもって仕事をしていますし、国家公務員と民間企業の両方を経験している私の意見としては、やはり民間企業では到底できないような大きな仕事が出来ます。

まさに災害対応などはその典型で、知識と経験から「どの法令に基づいて支援ができるか」「必要な予算はどの程度でどこに投下するか」を霞が関で整理しつつ、現場では必要な一時対応や現況把握、霞が関への情報共有を徹底して一丸として災害に立ち向かいます。

緊急事態はまさに「公務員が必要とされる時」であり、「それを乗り越えて国民に幸せな暮らしを送ってい欲しい」という思いで立ち向かっているのです。

しかし、国家公務員も人間ですので体力には限界があります。

日本は毎年のように災害があります。地震や台風の対応はある意味「慣れ」もあり、初動対応として一瞬ギアを上げて働くことは出来るのですが、

コロナについては、おそらく当初の想定以上に対応が長くなり、ギアを上げ続けている組織が疲弊してきているのではないかなと想像します。

国家公務員は予算制度の問題からか分かりませんが、基本的に年度途中から人員が増えることはなく、例えば大きな法改正等の一時的に業務がひっ迫する場合は部署から寄せ集めでチームを作ります(通称タコ部屋)。

省庁によるかもしれませんが、1年を超えるタコ部屋なんて聞いたことがなく、組成されているのは大体半年程度ではないかなという感触です。

コロナ室に配属されている方を動かしているのは「かつてない困難に立ち向かうやりがい」だと思います。(そうでなければやってられないと思います。本当に頭が上がりません。)

ただ一方でギリギリで働いていることは想像も容易です。

私はあくまでも前向きな理由(やりたいことをやりたい!)で官僚を辞めましたが、「働き方」や「家族としてありたい姿」も大きな理由な一つでした。

近年若手官僚の退職がニュースとなっていますが、(私が優秀だったかは別として)このままではやりがいを持って働いている優秀な人財(人材)がどんどん流出(そもそも入ってこない)してしまいます。

実際に霞が関にいた私にはその難しさも分かりますが、せめて人員配置だけでも工夫して、身体と心が持つ程度の負担に軽減してあげて欲しいと思います。

一時期話題となりましたが、「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」はまさに若手官僚の心の叫びであり、改めて多くの人に読んでもらいたいです。

国家公務員にもESG経営をしっかりと意識してほしい

ESG投資とは、従来の財務情報に加え、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)といった要素も考慮した投資のことを指します。

日本においても、投資にESGの視点を組み入れることなどを原則として掲げる国連責任投資原則(PRI)に、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年に署名したことを受け、機関投資家を中心にESG投資が広がっています。

このESGの中には「企業の労働環境への配慮」が含まれています。

つまりは「ブラック企業ではなく、みんながのびのび働けるようなホワイト企業に投資します。」というのが社会(機関投資家)の流れです。

日本の公共サービス(税金システム)はある意味投資に近いものと私は認識しています。

納税額が多い人と少ない人でリターンが大きく変わらないところが投資と少し違いますが、公共サービスというリターンを得られるから納税に納得できるものと考えています。

私も官僚時代は「税金を使う限りはいい使い方をしたい」と考えながら仕事をしていました。

いまは、完全にサービスを受けるだけの立場ですが、毎月の給料から決して少なくない金額が税金として控除されているからには、必要なサービスに予算をあてて欲しいですし、その結果よりよい公共サービスとしてリターンが得たいと考えています。

我々国民がよりよいリターン(公共サービス)を受けるためにも、投資先の一つである中央官庁の労働環境もしっかりと配慮してほしい、そういう組織に投資したいと考えるのが私の思いです。

ESG経営がされていない企業が機関投資家からどんどん見放されているように、このままでは中央官庁も投資家(国民:官僚含む)からどんどん見放されていくのではないでしょうか。

では、また。

コメント

タイトルとURLをコピーしました